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opam のインストール方法

このドキュメントは本科目の履修者向けに OCaml 開発環境を構築する方法を説明したものである.開発環境の構築のために一番簡単なのは opam という OCaml 用のパッケージマネージャをインストールする方法である.このドキュメントでは,opam の公式ドキュメントのうちインストール方法に関する部分を(注を付けつつ)翻訳してある.

このページでは opam のインストール方法と設定方法について説明する.その他の opam の使い方についてのは opam --help を読むか,あるいは使い方 のページを参照されたい.

Windows について

OCaml 開発環境は一般

opam 1.x からのアップグレード(ほとんどの学生には関係ないはず)

一般には,単に前のバージョンのインストール方法を繰り返せばよい.すなわち,yum や apt や Homebrew や MacPorts 等システムのパッケージマネージャからアップグレードするか,バイナリインストーラをもう一度使えばよい.opam は ~/.opam に内部のリポジトリを持っており,必要であればこれを初回にアップグレードする.(インストーラスクリプトを使った場合,自動的にバックアップが取られる.)

シェルスクリプトをアップグレードしてサンドボックスを有効にするには、opam init --reinit -niを実行すればよい.

変更点はUpgrade guideにまとめてある.

バイナリディストリビューション

最新の opam を起動して動作させる一番手っ取り早い方法は,このスクリプトを,実行することである.以下のコマンドをシェルで実行せよ.

sh <(curl -sL https://raw.githubusercontent.com/ocaml/opam/master/shell/install.sh)

このスクリプトは,コンピュータのアーキテクチャをチェックし,適切なコンパイル済みバイナリをダウンロードしてインストールする.(古いバージョンを使っている場合はデータをバックアップする.)その後,opam initを実行する.

もし curl に問題がある場合はスクリプトをブラウザ等でダウンロードしてから,ダウンロード先で sh install.sh を実行すればよい.

以下のプラットフォームについては,コンパイル済みのバイナリが提供されている.

よくわからないスクリプトを自分のコンピュータで実行するのが嫌な人は(良い見識である)このページ から自分のプラットフォームに適したバイナリをダウンロードし,実行可能パスの下に置いて(あるいは環境変数 PATH にダウンロードしたファイルが置いてあるパスを入れて),ダウンロードしたファイルを実行可能にして(chmod u+x <ダウンロードしたファイル>)以下を実行する.

sudo install <ダウンロードしたファイル> /usr/local/bin/opam

なお,このスクリプトはユーザが自分のコンピュータに opam 実行環境を構築するためのものであり,CI向けではない.CI に使いたい場合はDockerイメージを使用すること.

システムのパッケージシステムを使う

これは, もし自分のディストリビューションのパッケージシステムで opam が利用可能で,かつそれが最新であれば オススメの方法である.(逆に言えば,そうでない場合があるので気をつけなければならない.このページに,ディストリビューションのパッケージシステムでどのバージョンが入手可能かが書かれているので,チェックすること.以下は現在サポートされているディストリビューションでのインストール方法である.(主要なものだけ翻訳してあるので,自分の使っているディストリビューションが翻訳されていない場合は,講義用 Slack か PandA でリクエストを出すこと.)

Arch Linux

opam パッケージは公式ディストリビューションで利用可能である. 以下のコマンドを実行すればよい.

pacman -S opam

開発版を使いたい場合は opam-git パッケージが AUR にある. yay がインストールされているなら,以下のコマンドを実行すればよい.

yay -S opam-git

Debian

opam のバイナリパッケージは stabletestingunstable,では公式のリポジトリから利用可能である. 以下のコマンドを実行すればよい.

apt install opam

Exherbo

dev-ocaml/opam パッケージはopam 1.x である. バイナリディストリビューションを利用せよ.

Fedora, CentOS and RHEL

Fedora の opam パッケージは以下のコマンドでインストールできる.

dnf install opam

現在 CentOS/RHEL のパッケージはない.上記のビルド済みバイナリを使うか,ソースファイルからビルドすること.

Mageia

Mageia の opam パッケージは以下のコマンドでインストールできる.

urpmi opam

OpenBSD

OpenBSD の opam パッケージは以下のコマンドでインストールできる.

pkg_add opam

FreeBSD

opam は FreeBSD 11 以上の Ports/Packages Collection で利用可能である.

cd /usr/ports/devel/ocaml-opam
make install

macOS (Mac)

homebrewMacPorts をインストールせよ.これは macOS で UNIX 系ツールを使うために使うパッケージシステムである.これを使うとインストールが可能である.それぞれ以下のようにすればよい.

Homebrew

brew install gpatch
brew install opam

MacPorts

port install opam

Ubuntu

注意: この先に進む前に cat /etc/os-release によって表示される情報の PRETTY_NAME の値をチェックして,使用中の Ubuntu のバージョンを必ずチェックすること

バージョン 19.04 以降

最新のバージョンに近い opam が公式リポジトリにて提供されている.以下のコマンドを実行すればよい.

apt install opam

バージョン 18.04 と 18.10

公式リポジトリより新しい opam ppa が提供されているが,更新が途絶えている.以下のようにしてインストールせよ.

add-apt-repository ppa:avsm/ppa
apt update
apt install opam

18.04よりも古いバージョンの場合

バイナリディストリビューションを利用せよ.

Guix & Guix System

Guix の opam パッケージは以下のコマンドでインストールできる.

guix install opam

ソースコードからビルドする方法

ソースコードの入手

opam の最新バージョンのソースコードは Github から入手できる.

また,opam が依存しているコードを含んだフルのアーカイブも用意されている.

ダウンロードして tar xzvf <ダウンロードしたファイル> で解凍したら,出てくるREADME.md に書いてある指示に従ってビルドしてインストールせよ.

opam1.2.2 は OCaml 4.06.0 ではソースからはコンパイルできない.lib_ext をコンパイルするために以下のコマンドを使うこと.

OCAMLPARAM="safe-string=0,_" make lib-ext